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トランス アゲイン

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IMG_0728「越境=トランス」という言葉は久しぶりに使った。つい最近パレスチナオリーブの皆川万葉さんから依頼された通信『ぜいとぅーん』への寄稿というタイミングで。「OAMの宣伝。できれば、沖縄と中東のつながりにも触れて欲しい」という要望に応えようと、これもまたさえない頭でつらつらと考えてのことだった。

皆川さんは電話でシリアについて言及していた。シリアと沖縄。あるいはパレスチナと沖縄。そういった切り口で何かを書くこと。

私は改めて気づかされた。沖縄でシリアについてどれほど考えていたかと。むろん、その緊迫する情勢について情報は日々追いかけていた。沖縄に占拠する基地とて米国のパワーバランスにおいて中東と無縁ではないことくらい認識しているつもりでいた。

しかしながら、「シリアを想像すること」、そのことがどれほどできていただろうか。そう痛感するやいなや、そのことについて何かを書くことが、私にはできなくなった。それでなくても限られた字数にOAMの宣伝を書き込むと残りはわずかとなった。そのわずかなスペースに私はかろうじて次のように書いた。

これらのプロジェクトは「人と地域の現場からつながりをつく」る営為であるといえます。さらにそこから「沖縄から世界を結いなおす」というとき、わたしはパレスチナやシリアのことを想像します。そのトランス(移動・越境・跳躍)こそ重要なのだと確信しながら。

私はこの一ヶ月におこった自身へのある大きな力に対処しようとあがいてきた。その志向を見定めようと努めるとき、「トランス」という言葉がおのずと湧き上がってきた。この言葉にすがるように、といっても大げさではないだろう。そのこころの状態が、はからずも中東を想像するための宣言としてせり出してきたといえばよいか。

「トランス」について、以前沖縄タイムスのコラム「唐獅子」でこんなふうに書いていた。ここでも台風について言及していることに我ながら驚く。

「唐獅子」第3回 共通感覚をトランスする

「唐獅子」第4回 “トランス”の意味


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